午後、中野へ。東京芸術大学牛久保舞さんより連絡があり、穂村弘さんのドキュメンタリー映画の協力を頼まれたため。マイクを上着の下に内蔵し、穂村さん行きつけの中野ブロードウェイで店を回りつつ会話。
撮影後、三人でお茶。

午後六時、中野サンプラザに移動して、遠藤由季『アンシンメトリー』と斎藤芳生『桃花水を待つ』の合同出版記念会に参加。発起人挨拶として、あらかじめ依頼のあった斎藤さんの歌集について少し語りました。「我のゆく先々にいつも父はいて白き碁石のかちりと光る」「ねじ花を植えたのは父 沈黙の螺旋は娘二人へと伸び」等の厳しそうな父の歌に言及したら、本人がいらしたそうで、少し汗が出ました。
着席してご飯を食べながらですが、多くの人のコメントがあたたかく、熱かったです。
結社からの出席が多かったせいか、その人生や人となりとからめての発言が多かったかな。
私は馬場あき子さんの隣でちょっと緊張ぎみでしたが、いろいろおもしろいお話をお聞きでき、徳を得た気がします。


・大蛇なる大縄飛びはまたひとり子を飲みやがて空も飲み込む    遠藤由季
・あなおとなしき駱駝の腹に浮きでたるホースのように太き静脈   斎藤芳生


繊細さが大らかさにやわらかくつながっていくような歌が好きでした。


左から2番目が遠藤さん、その隣が斎藤さんです。