白おにぎり

昨日出すはずだった書評を今日やっと書き上げる。
小池昌代さんの本にまつわる本『井戸の底に落ちた星』と梅内美華子さんの第4歌集『夏羽』について。
それぞれ短い評ですが、「歌壇」5月号に掲載予定。

たましひを押し出すごとく白おにぎり喪の厨よりかがやきて出る  梅内美華子(『夏羽』より)

お祖母さんのお葬式のあと、台所で女たちがおにぎりをつくっている場面を詠んだ印象的な歌。
いつか川野里子さんが、婚家の実家の法事の翌日の朝6時に、女たちが同じ形のかっぽう着を着て白いお団子を丸めていたのでよくわからないまま参加してから歌集の批評会に来た、という話をしていたことを思い出した。
今日もどこかで女たちはより集まって、手の中から白いものを次々に生み出しているのだろうか。
関西に住んでいたころ、おにぎりは俵型が主流だった気がするけれど、もう三角のものに淘汰されてしまったのかな。


明日発売の「an.an」(3月14日号)に「さようなら窓」の第3回が掲載されます。よろしくお願いします。