朝起きたら、雪が淡く積もっていました。
4月に積もった雪を見たのは、22年ぶりです。
22年前に、大阪から東京に上京した次の日に、雪が積もったのです。
あのときはびっくりしました。ベランダの柵に、5センチくらい、白いやわらかい雪があって、片手で赤ん坊を抱えながら、指でばさりと落としたことを覚えています。少し不安で、少しうれしく。
22年前、とすぐに数字が出てくるのは、その生まれたばかりだった子が、22歳になっているからなのでした。短歌をはじめたのはその3年後くらいだったかな。
天気予報の記事で「終雪」(その年の最後の雪)という言葉を覚えました。


昨日書いた小説の手直し、書評用の本読み。

午後、仕事椅子につもっていた埃を払い、床を拭き、ふと目が合った『この世界の片隅に』を読みふけり。上、中だけ読んで、結末がこわくて下がずっと読めないでいたけれど、掃除の途中に床に座って読んだらとてもよくて、がんばろう、がんばって生きて、自分がすべきことを、しよう、と思いました。太宰治の『女生徒』も、なぜか目が合い、ちょっと読む。きゅうりの青さから夏がくる。きゅうりの青さに、まだ遠い寒い春。


昼から少しあたたかくなってきたので、西日のあたる場所でうたた寝
夜は、豆乳鍋をしました。最後はうどんを入れて、すだちをかけて。


寒い春の一日を、満喫した気がします。
20年に一度くらいならこんな季節外れの寒さも乙かもしれません。


さて、明日は「NHK短歌」の新年度の第一回目です。ゲストはイラストレーターの井筒啓之さんです。
時間は昨年よりさらに早くなり午前6時〜25分です。
再放送は翌水曜日の午後2時 30分〜 55分です。


・地図にない離島のような形して足の裏誰からも忘られている   杉崎恒夫