higashinaoko2010-02-27

劇団四季自由劇場にてミュージカル「エビータ」観賞。
アルゼンチンの大統領の妻にのぼりつめた、野心あふれる女の物語。
力強く生きるということは、清々しくて、このうえなく痛切。
オペラ座の怪人」や「キャッツ」のロイド=ウェーバーの曲は、ここでも記憶にしっかりと刻まれるメロディーが展開されました。
シンプルながら大胆に世界を展開してれる舞台は土屋茂昭さんのデザイン。
実は土屋さんには、私の戯曲「飴屋の夜に…」や「姫神楽」の舞台を作ってくださったことがあります。
新国立小劇場に、土俵のような全方向から眺められる舞台をつくったりなど、限られた予算で、斬新な舞台をつくってくださいました。
「エビータ」は、なつかしい街、闘争に燃える人々、華やかな社交界、祈りのイメージ、そして本人のモノクロ映像を映し出す石の壁、バラの花びらが散る光。鮮やかな、うつくしい舞台でした。


鍛え上げられた人の歌声は、ほんとうに気持ちがいい。
まっとうできなかった気持ちは、清らかに、高らかに歌うことでまっとうできる。
ミュージカルの効用って、そういうものかもしれない。私の内側にあるそういうものも、空にとかしてゆける。


・歌姫のひとみのなかの激流にだれも触れ得ずゆらぐ劇場    東 直子