掲載情報

higashinaoko2009-10-10

週刊現代」10月24日号「東直子のミミヨリコヨリ」
 ジャームッシュの映画「リミッツ・オブ・コントロール」について書きました。


とりたててなにも起こらず、ほぼ一日家にいて、こまごまとしたことを。
今日のためにではなくて、いつかくる日のための準備のための今日、のような。
でも、ぼんやりすることが生来好きなので、こんな日のために今までの日はあったのかもしれない。

と、のんびりしているようで、いろいろ追われてもいるのでした。ごめんなさいは、とくに北方に向けて。


小学校低学年のころ、手芸をするのが大好きで、一日中手芸をして過ごす人になりたいと思っていました。
昔はよく見かけた、縁側で編み物をするおばあさんになりたいと、7歳のときに強く願っていたのです。今すぐあのおばあちゃんになりたい、と。
縁側はなく、編み物もしていないけれど、そう思っていたということの記憶は、いつまでもずっと残っているものなのだな。


福岡の、小さなアパートに、3姉妹と両親で住んでいたころのことです。
針と糸さえあれば、一言も言葉を発せずに一日をすごせる、おとなしい子供で、しかしよくしかられていたのはどういうことだろう。いろいろな記憶の捏造があるのでしょう。


・雨が降りさうでねとても降りさうであたしぼんやりしやがんでゐたの    東 直子


セイロで蒸した緑の野菜いろいろと、こんがり焼いた豚肉をももいろの岩塩の荒びきのみで味付けしたものに柚こしょうをつけて、夕ご飯のおかずにしました。