わたしたちは、はぐれた子どもをさがしていた。道を選んでさがしていた。
なかなか会えない。もう少し先にはきっと。
ガソリンスタンドの中から、青いつなぎを着た小さな女の子が出てくる。おかっぱのこめかみのところから小さい三つ編みをたらして。いつもそういうふうにつくってた。あれはまさに。ふりかえる。目が合う。みとめる。少し笑う。
つなぎはこの店の従業員の着ているものと同じ色と形。貸してもらったのかと思う。
一緒に中に入ると、広げていたスケッチブックを閉じる。遊んでくれてありがとうございました、と言って、店の人に手渡す。きちんとしていてけなげ。
よかった。あわてずに待っていたから、会えた。


ゆっくりと目が覚める。そんな再会の記憶はない。あれは。
ガソリンスタンドでけなげに待ち続けている子どもがいるような気がしてしかたがない。


と、今朝の夢の話を書いたりして。すみません。
明日仙台文学館で行われる全国短歌大会のために仙台へ行きます。
はりきって前乗りする予定。ちゃんと原稿しあげておかないとあやうし。


・「久しぶり」と言うときはみなまぶしそう終わったことをぽつりと語る   東 直子