森山開次

新国立劇場へ「森山開次作品集」の千秋楽を、友人に誘われ観にゆきました。


能などの和の要素を取り入れたコンテンポラリーダンス
フルートの演奏も横笛のような音色。
暗闇に浮かび上がる、無駄なものをすべてそぎ落とした身体に、仏像のような冷静な表情。
何人かのゲストダンサーを迎えたのち、最後にたった一人で躍る彼は、その空間のすべての人から愛され祝福されていたけれど、振り返ったときに、誰からも憎まれてもかまわない、とも思っている強さがあるようだった。


言葉のない世界は、人間の奥の想像力と共感力で、見るひと一人一人に違う世界が構築されているのだろうな、と思う。
全く言葉がなかったわけではなく、お能の人が、シンプルな詩のような言葉を朗詠していたのだけど、言葉はすべて忘れてしまった。光に飛び散ってしまったみたい。