草子さん

higashinaoko2008-11-26

遅れてしまっていた「愛の歌を読む」の原稿を書く。
今回は、今年の短歌研究新人賞の田口綾子さんと、以前角川短歌賞を受賞した澤村斉美さん、そして元かばん会員の北川草子さんの作品を引用した。(11月30日、毎日新聞掲載予定)
北川さんの作品は、この連載の中で一度は取り上げたいと思っていた。
久々に彼女の歌集『シチュー鍋の天使』をじっくりと読んでしんみりとする。何度読んでもよい歌集。


ありふれた愛のことばがグリセンリン・ソープの泡をうつくしくする  北川草子
銀色のコップ差し出しきみが言う 魔法瓶って天才だよねえ        〃
また山に行かうねそして寒天のやうなお池で船に乗らうね         〃


北川さんが亡くなってもうすぐ九年。
最近、かばんに陣崎草子さんという人が入会して、ちょっとドキっとした。
この方は、北川草子さんのことは、知らないと思うけれど。


皿を割って割って割って、割ってって 雪がほんとに積もってしまう   陣崎草子
魚焼くグリルのとこのあの黒い感じの色の陰毛ですか           〃
そーこちゃんはしゃもじっていうかなんとなく黒いくつ下って感じする   〃


おもしろい。
陣崎さんは、穂村弘さんの「ダ・ヴィンチ」の連載「短歌ください」のページにイラストレーションを描いている人。
そういえば北川草子さんも絵を描く人だった。