「心の花」と「弦」

higashinaoko2008-07-06

5日は「心の花」の110周年記念会に呼ばれ、参加させていただきました。
110年。短歌の結社誌としては、最古です。でも、世界的にみても詩の雑誌でそんなに長く続いているものはないのではないかと思って、佐佐木幸綱氏に、お祝いの言葉とともに聞いてみたら、「ホトトギス」の方が少し前に始まったのだそうです。
金田一秀穂氏による記念講演「アナログな言葉」、示唆深く、かつ楽しい話でした。
言葉の孕むあいまいさというアナログな部分の魅力と難しさについて、考えさせられたのでした。
家電の説明書のようなものをデジタルとすると、詩の言葉は、言葉のもっともアナログな場所にいるということなのか。など。
祝賀会では、久しぶりの人たちに会えて、楽しかった。
まだ全部は見ていないけど、お土産に、心の花の代表歌人の朗読とインタビューのDVDをいただきました。映像の記録というものは、短歌の世界では滅多になく、貴重ですね。活字とは違う、その日その時の息遣いや空気の感じまで残すということは。


写真は、昨年発足したばかりの、辺見じゅんさん主宰の「弦」という結社誌です。
出たばかりの3号(写真)より、エッセイ「火気厳禁」を連載させていただいています。
エッセイタイトルは、物騒なものからは遠くいたい、という願いをこめて。
表紙、うつくしいです。紙質もしっとりしていて、いいのよ。
3号は、佐佐木幸綱さんや荻原裕幸さんらが招待作品を掲載していたり、町田康日和聡子斉藤斎藤各氏の座談会も掲載されています。


さて、先日の穴埋めは「島」でした。

・暗がりの夜具の外なる子の顔は島のようなりそがわれを呼ぶ    花山多佳子


今日はこちらを。

・夏の風 ***** を降りてきて誰からも遠くいたき昼なり