公開講座など

昨日は、学士会館にて、現代歌人協会公開講座に参加しました。
「この歌人に迫る──現代短歌を創った人々2」で、今回は「高野公彦氏の宇宙的な歌世界の秘密」がテーマ。
穂村弘さんが司会で、私と吉川宏志さんが聞き手でした。
その資料として、悩んで選んだ5首が以下。


みどりごは泣きつつ目ざむひえびえと北半球にあさがほひらき                            『汽水の光』
なきがらの母を離(さか)りてはくれんの花々に差すこの世のひかり  『雨月』
ねむれ千年、ねむりさめたら一椀の粥たべてまたねむれ千年  『水行』
我を生みし母の骨片冷えをらむとほき一墓下一壺中(いちぼかいちこちゅう)にて    『天泣』
茹でられて卓に置かるる三月の朝の卵よ全方位白(しろ) 『甘雨』

このような秀歌作成時の秘話を聞き出そうと、3人で質問攻めにしてしまったのですが、高野さんは終始おだやかに、「自然にしているだけです」「あまり考えていないのです」「推敲はします」「テレビを観るのに忙しくて」などとユーモアまじりで語っておられたのでした。



「短歌研究」7月号の七夕特集に、新作7首「流れる」とエッセイを寄せています。
小説すばる」7月号では藤田香織さんに『とりつくしま』の書評を書いていただいています。藤田さんは、『長崎くんの指』の時にもすばらしい書評を書いていただいて、感謝しています。
今出ている「an.an」(占い特集)にも紹介記事が出ています。
「ウフ.」のミムラさん評は、なんと巻頭ページです。本人同様、とてもきれいな文章なのです。