浮舟

「かばん」2月号が届く。
入谷いずみさんが「かばん」に「源氏物語占い!」という連載を書いていて、これがとてもおもしろい。


毎回「源氏物語」に登場するヒロインひとりにスポットをあて、その生涯と性格を当時の時代背景とからめて、的確に、そしてドラマチックに書いてくれているのである。


今月は「浮舟」。
私はてっきり宇治川で入水自殺してしまったのだと思っていたのですが、入水しようとしてできず、気絶した所を助けられて出家するのですね。


雪のふりしきる中、匂宮に船に乗せられて連れて行かれ、濃密な2日間を過ごす。とあるけれど、この2日間が、一生分の体験でもあったことなのだろうなあ(詠嘆)。


死んだと思われて一周忌も終わったあとに、恋人(薫大将)が生きていることを知り、連絡が来る、というのは、源氏物語の最後をしめくくるにふさわしいダイナミズムがありますねえ。生きたまま死ぬとはこのこと。


毎回入谷さん作によるそのヒロイン度チェックがついているのだけど「囲碁やチェス、オセロなどのゲームが強い」という気になる項目が。オセロが強いと、浮舟度が高い……!? なぜなのか、今度会ったら聞いてみよう。


ところで共著『12歳からの読書案内』が再版になりました!
発売一ヶ月以内に再版になるなんて、はじめてかも。めでたい。


・凍る風につきだしているくちびるの少しひらいた窓と体験  東 直子


短歌日記
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