砂と兵隊

昨夜は、青年団の新作「砂と兵隊」を観に行ってきました。
アゴラ劇場に敷かれた真っ白な砂の上を、兵隊がほふく前進し、兵隊の夫を探す妻がハイヒールで、新婚旅行の夫婦が桃缶を持って、母親を探す一家が、散歩をするような姿で、そして謎の男女が、歩いて、歩いて、歩いていく劇でした。
火野葦平の『麦と兵隊』をモチーフに平田オリザさんが「永遠と続く(あるいは永遠と続くと思えるような)時間を、どうにかして100分ほどの舞台に凝縮できないものかと、いつも四苦八苦している」とパンフに書いているけれど、ほんとうに、身体の芯で「永遠」を感じさせてくれるような劇でした。
しずかに、砂がこぼれいく空間。不条理に充ちた世界。
今日が千秋楽です。↓
http://www.seinendan.org/

・ときにあなた、砂とは美しいものね さくりさくりと沈んでゆきぬ  東直子