ぷらむ短歌会2005/8月
今日のぷらむ短歌会の題は「光」。
今月の資料では、大口玲子さんの作品を紹介しました。
薪割りの斧ふりおろす一瞬の銀河の洞ふかさたれにか告げむ 大口玲子
答へられぬ学生に深く立ち入れば星選ぶやうに助詞選びをり 〃
名を呼ばれ「はい」と答ふる学生のそれぞれの母語の梢が匂ふ 〃
人生に付箋をはさむやうに逢ひまた次に逢ふまでの草の葉 〃
「大丈夫」と言つてしまつてから不意に雪より冷えて泣く我がゐる 〃
おおらかで芯が通っているのに、繊細で痛切な歌の数々。とても好評でした。
穴埋め問題は
1「 」と言ひあひて別れし晩夏よりおのおのの身に時は積もれり
2どしゃぶりの傘の宇宙はかぎろひて のやうな唇くちを重ねし
3たとえば 男と呼ばれお台場を彷徨う生も楽しからんか
でした。
1首目は、横山未来子さんの名歌で、「また」が入るのですが、会話ゆえ、会員それぞれの人となりが如実に現れておもしろかったです。
Sさんの「みていろ」は、男同士のライバル意識を感じさせ、Kさんの入れた「つかれた」は倦怠期のカップルの味わいが出ていました。八十代のSさんの「再見(サイチェン)」もかっこいいなあ、と感心したものでした。
2首目は、永井陽子さんの歌で、「ほたる」が入り、3首目は藤原龍一郎さんの歌で「空気」が入ります。どちらも原作の通りの人は一人もいず、藤原さんの歌は全員が違う、「火薬」「軟派」「雷」など、ユニークな答がいろいろ出で、歌の含みの広さを感じさせてくれたのでした。