栗田有起著『オテル モル』

higashinaoko2005-04-19

昨年芥川賞候補にもなった栗田有起さんの『オテル モル』の書評を仕上げる。

横歩きしないと入れないようなビルとビルの隙間に入口のある、地下13階の、「最高の眠り、そこからみちびかれる最良の夢」を提供することをモットーとするビジネスホテルが舞台。そこで働く女性の特殊な家庭環境もからんできて、筋も文体もおもしろいのだけど、テーマが「眠り」なだけに、読みながら睡眠欲を刺激される、不思議な本でした。2回きっちり読み直す間に、5回くらい、意識を失うように眠ってました(笑)。

不眠症でお悩みの方に、ぜひおすすめです。
発想がSF風だけれど、文体はカジュアルで読みやすいです。

書評は「文學界」6月号(5月7日発売)に掲載予定です。

夕食は、豚肉のうすぎり醤油焼きと、茄子の味噌煮、きゅうりとじゃことほうれん草の辛子酢味噌あえ、ミニじゃがいもを皮ごと茹でたもの(あつあつをバターで)