晴れ

 夜、下北沢にて飲み会。明大前で案内版に6時51分発というのが灯っていたので、ああ、あれに乗ろうと思ったところまで覚えているのに、はっと気づくと案内板が7時すぎに変わっている。あれ、6時51分の電車はどうしたの?わたし乗ってないよ
!電車も走り忘れることがあるのか。いやいや。
 あまりにぼんやりしすぎていて、電車が通りすぎるのに気づかなかったのか、なあ。こわくなるほどうわのそら、という歌があったっけ。
 そんなわけで(理由にもならないが)遅刻して沖縄料理屋うないにつくと、すでに金原さん、位頭さん、広松さんがなごやかに語りあっている。
 あとから本下さんとお初にお目にかかる新沢としひこさんが加わり、いろいろと知らなかった濃い話題を記憶にしみ込ませていただいたのだった。新沢さんは癒されるかんじのやさしいシンガーソングライターで、「♪世界中の子供たちが」という、ときどき口づさんでいた歌が、新沢さんの作詞だったことを知り、うれしかったのでした。


 そして朝方、15歳年上のひきこもりの兄を持つ兄妹の夢をみる。ひきこもり兄は、部屋の中からカアー、カアーと鴉の鳴きまねをして歳の離れた幼い妹を喚んだりするけど、今日から行かないことにした、と妹は言う。兄は格子のむこうの自室で父親と叔父たちになんで働かないのかと叱責されていて、そこではじめてかなしげな顔が浮かんだのだが、その顔が、新沢さんにとてもよく似ていた。(ご、ごめんなさい)。


・あさかげにでかけていった妹を兄はカラスの鳴きまねで喚ぶ   東 直子