収録に使われたベニバナ
朝、「NHK歌壇」収録のため渋谷へ。渋谷ホームを歩いていると、でさあ、撃たれた、逃げてる、らしい、というような会話を耳にする。なにかあったのかあ、とぼんやりしつつ、バスでNHKまで。
到着するとすぐにメイク室へ。メイクはされてますか?はあ、ひととおり、じゃあ、押さえる程度でいいですね、ということで、髪の毛を少し流してもらっただけ。メイク室で司会の平野啓子さんにお会いする。白い肌と、やわらかくよく通る声。
講師の松平盟子さんは、沖縄の紅型の着物ですずしげに。松平さんはいつ会っても華があるなあ。
打ちあわせをざっとして、すぐにリハーサル、そのまま本番。背が低いので、いつも椅子が高い。足がついていることがない。目が泳いでいるのはそのせいである(言い訳)。
いつもの投稿歌の選評と松平さんの与謝野晶子に関する話。女子の教育の低さを嘆いた晶子が学校を開設する経緯を歌を引用しつつ解説された。最後に『短歌があるじゃないか。』にちなんだ話をした。本下いづみさんと長与千種さんの歌が引用されます。放映日は7月3日(土)朝7時半〜8時、8日(木)朝5時半〜6時です。
終ると午後1時すぎ。お昼ご飯を食べながら、松平さんからかの子のゴージャスな巴里生活や平野さんの竹取物語の朗読の話なしたのでした。
午後2時頃NHKを出て、佐藤弓生さん、佐藤りえさんと落ち合ってBUNKAMURAで上演されている「キッチン・ストーリー」を観る。北欧の、独り住まいの老人とそのキッチンを観察する男とのとてもしずかな、友情ものがたり。食器の重なる音や紙をめくる音が心地よくひびく、いい映画でした。おだやなかな楽天主義が気持よい。
1階のラウンジでお茶をしたあと、となりのギャラリーでやっていたル・コルビュジエの版画を観る。
家に帰って、渋谷の発砲事件を知る。着替えの入った紙袋を現金が入っているものと間違えて奪って逃げたらしい。朝、小耳にはさんだのはこれか、と思う。