朝6時19分の電車に乗って、九十九里へ。銚子で毎日新聞のN部さんと落ち合う。
現在「本の時間」に連載中の「私のミトンさん」の主人公アカネちゃんの出身地なので、一度取材をしたいと思っていたのです。
思いの他風が強く冷たく、干物になりそうになりながら、犬吠埼から海を眺め、片貝の長い長い浜から海を眺め、しめった砂に足あとをつけてきました。
さえぎるもののない海は水平線が湾曲して見えます。
今まで見たどの海よりも広いと感じました。
お昼前と、午後に2回だけ乗ったタクシー、なんと同じタクシーで、私がうっかり落としたタオルハンカチを保管してくれていました。家に帰りたかったんだね、ハンカチ。


白い犬が三匹。空には無数の白い雲。あっというまにくらくなる世界。 空と地上がかぎりなく平等な世界の中に閉じこめられていたのでした。




N部さん、星の王子様っぽい。


・波音がわたしの口にあふれ出す鳥が切り裂く空に会いたい  東 直子