『ネフスキイ』とお知らせ

higashinaoko2009-02-24

21日(土)は岡井隆歌集『ネフスキイ』の批評会に参加しました。参加者七十名ほど。
2006年9月から翌年の8月までに作られた約840首をまとめたもの。
普通の歌集は300首ぐらいで、5年くらいの間に作られたものをまとめたものが多く、異例の歌集につき、意見もさまざまに分かれる。
しかし、おもしろく読んだという点で一致していた。私は、歌集を読んでいるというより私小説をそっと読んでいるような印象を受けたのだった。ゆるみをもたせて、最終的に思考の余韻が残るような。一首を抜き出してどうこうするより、ひとかたまりの流れで読むべき本なのだろうと思う。高橋睦郎さんが「教養とは開かれた心である」という教科書に見つけたという言葉を引き合いに出して、解説していた点が印象に残った。つくづく読むと妙な歌が点在している。


・町筋は小さな祭でもあつた大挙して父が、また母が来た    岡井隆
・朝思へばぼくより幸福な奴なんてゐるわけがない歪むな隆    〃
・眼前の小事情から永遠をつむぎ出さうって ふてえこんたん   〃
・トイレにてすこし直したいとこがあるそれがなにとはいひにくいけど  〃
・水泳は重い。海水は重かつた。ヴァレリーをよみて出かけようとす    〃


さて、3月5日に、一年ぶりの新刊『ゆずゆずり』が出版になります!
現在発売中の「青春と読書」3月号に、『ゆずゆずり』に関するロングインタビューを掲載していただいています。
お読みいただければたいへん幸いです。
又、「短歌研究」3月号に新作7首「ある訃報に」、「短歌」3月号に春日井建の一首観賞、「歌壇」3月号に2008年度のアンソロジーを、それぞれ寄稿しています。


2月22日の「しんぶん赤旗日曜版」のコラムに、森岡貞香さんの追悼文を書きました。
次回の「夜はぷちぷちケータイ短歌」(3月1日)にゲスト出演します。
詳細は↓
http://www.nhk.or.jp/tanka/



今日のおやつはお汁粉。小豆を煮て、こねた白玉粉をゆでた。ゆでたての白玉はもっちりしておいしい。