屋上とワイエス展

午後、集英社にてインタビュー。来年発売予定の『ゆずゆずり』について。(「青春と読書」2月号掲載予定です)
屋上にて著者近影を撮っていただいた。
デッキのようなこじんまりとした空間。
屋上というのは、建物の関係者にしか入ることのできない秘境だと思う。
学校の屋上は、遊び場として出入り自由だったが、あるときから禁止になった。
屋上、好きだったのに。ソフトテニスで遊んだり、ただぼんやりしたり。


夕方、渋谷でワイエス展を見に行く。
30年間描き続けた農場の姉弟が亡くなったあとの家を、二人の名前をつけて描いた作品が胸に沁みた。農具や生活用品、そしてペンキのはがれかけた青いドアがあるだけなのに、そこには生きていた人の気配が濃厚にして。
クリスティーナなどの人物入りの絵はもちろん、ぼろ布のはみ出た窓や、ブルーベリーのつまった袋とか、箱詰めされる卵とか、なんでもないようなものにも物語が感じられるのでした。細部へのこだわりが尋常じゃない感じで。
ストイックという点で、先日観に行ったハンマースホイに共通するものをかんじたのでした。