んぐまーま

higashinaoko2006-04-09

昨夜、午前3時まで、連作短編小説の最後の編を執筆。

朝、週間ブックレビューを観て、TVウォッチの原稿を仕上げる。(13日日経夕刊掲載です)。

午後、駒場のあごら劇場にて、あなんじゅぱすのライブ「んぐまーま」を聴く。聴く、というより体験した、という方が正しいかな。
谷川俊太郎の詩にメロディーをつけてひらたよーこさんが歌い、山海塾の岩下徹さんが舞踏を踊る、平田オリザさん演出のライブでした。

開演と同時に、ライトが変化すると、円形につくられた舞台の端に、大きな盛り塩のように置かれた砂と、その円形の舞台そのものが、青白く光って、鳥肌がたつようなうつくしさでした。
「人が言葉を話し始める瞬間の驚きと寂しさ」という言葉を、あとでパンフレットに書かれていまいたが、たしかに…。
劇場に赤ちゃんがいて、ときどき喃語がもれてくるのも演出の一部だったのかな、と夢のように思い出しているところです。
言葉を知る前、言葉を得ていく、そして失っていく今、を想いました。よーこさんの声と音楽は、砂にも人の身体にも吸い込まれてゆくようでした。

その後、一緒に観た友人とお茶。
みな、ケーキセットを注文。
久しぶりに、レアチーズ(手堅い選択)。
ティラミスにしてみます(懐かしい選択)。
いちごのタルト(季節感たっぷりの選択)。
と、友人たちが次々に人柄に似合う注文を決める中、私は、唯一写真が掲載されていない、マロンチョコケーキに挑戦。
さて、のちに現れたケーキには、なんといちごが一つ、涼しく鎮座している。私の戸惑いを察知した友人、すかさず、これ、マロンケーキですよね、と、親切に訊いてくれる。ウェイトレスさん、はい、マロンケーキです、と、よどみのない答。
ふむ。このいちごをマロンと思えば、思えないこともない、色と、形が、記憶と少し、違う、だけだ。ねぶそくだし。と、思い込もうとしましたが、マロンは、スポンジの間にちゃっかりかくれていたのでした。