オノマトペ短歌
来週の公開講座の資料としてのオノマトペの歌をひたすら探す。
ずいぶん昔に買っておいた『短歌の技法 擬音・擬態語』(飯塚書店)が、今、とても役に立つ。
例歌は、現代短歌から5首、自作から2首と数が決められているのでとても迷う。
・ワアワアと洗濯機泣けり隣の家は何を投げこみしならん 高瀬一誌
・わが庭のパイン・トゥリーに巣をつくり顔、顔、顔、とカラスは鳴けり 大滝和子
・どっぷんどっぷん自動車流るおとことしてのみ込めぬものばかり流るる 渡辺松男
・ねむりつきてぐにゃぐにゃの子を抱きうつす青葉の風のとおる畳に 玉井清弘
・棒立ちのカンナひりひり朱を吐けり〈十四歳〉を遠巻きにして 今野寿美
・訪ねくる人とはなりてヘルメット提げたる息子がのっと入り来 永田和宏
・うつくしい午前五時半ころころと小石のように散歩をします 早坂類
・「夢といううつつがある」と梟の声する ほるへ るいす ぼるへす 佐藤弓生
・カーテンのレースは冷えて弟がはぷすぶるぐ、とくしやみする秋 石川美南
魅惑的な歌がたくさんあって迷ってしまう。
自作を探していて、そういえば『春原さんのリコーダー』のころは、よくオノマトペを使っていたけれど最近はあまり使っていないことに気づく。
なぜだろう。
あかんぼが二人家にいたときなんて、会話がぜんぶオノマトペだったからかなあ。
むじゃい=おいしくない
きょっきゃきゅ=あぶらあげ
キキキリキリスマス=クリスマス
いろいろ名言があったはずだけど、すっかり忘れてしまった。
録音しておけばよかった。