ぷらむ・大西民子

晴。

朝起き抜けに、ブックレビューのオンエアを観る。
10日に収録したばかりなのに、きれいに編集されていて(あとでしゃべったものが、自然に組み込まれていたり)感心しつつ。


午後、ぷらむ短歌会。
今日は、大西民子作品を紹介。


・かたはらにおく幻の椅子一つあくがれて待つ夜もなし今は
・夢のなかといへども髪をふりみだし人を負ひゐきながく忘れず
・てのひらをくぼめて待てば青空の見えぬ傷より花こぼれ来る
・亡き人のショールをかけて街行くにかなしみはふと背にやはらかし
・玉虫をあまた集めき玉虫をなべて逃しきこの白き手に
・洋傘へあつまる夜の雨の音さびしき音を家まではこぶ
・妻を得てユトレヒトに今は住むといふユトレヒトにも雨降るらむか
・トランプのうらなひをして夜にをれば隣の部屋はくらやみの箱
・渇きたる砂に半ばをうづもれて貝殻はみな海の傷持つ


突然去っていった夫を待ち続けた日々や、たった一人の肉親の妹を先に亡くしてしまった哀しみと孤独感が沁みてくる歌の数々。いい。とてもいい。


今月の題は「器」。
それぞれの手触りのある器の歌が集りました。


帰り、思ったよりも寒くて、まだまだ油断はできないなあと思いました。