トニー滝谷と芥川・直木賞授賞式

芥川・直木賞授賞式に出席し、ずっと前からとてもお会いしたかった角田光代さんにお会いできて、とてもうれしかったです。
角田さんは、誠実で、みんなから愛されているとてもすばらしい人でした。「対岸の彼女」も女性たちの微妙な心理がものすごい実感をともなってせまってくる、すばらしい小説なので、受賞がほんとうにうれしかったのでした。

その他、たくさんのすてきな方々にお会いすることができました。
会えた方、お話くださって、ありがとう。またいつかお会いしましょう。



昼には、新宿で佐藤りえさんと村上春樹原作の「トニー滝谷」を観てきました。村上春樹の世界を映画化するのは難しいだろう、とあまり期待はせずに観たのですが、春樹の世界のテイストを存分に残しつつ、うつくしい映像と音楽で、きれいな、すてきな映画に仕上がっていました。
イッセー尾形宮沢りえがそれぞれ2役をしていて、ほとんど二人芝居のような、朗読劇のような映画ですが、二人の孤独感がひしひしと伝わってきて、きっといつまでも忘れない映画になりそうです。


夫婦とはなにか。

孤独とはなにか。


に、興味のある方は、ぜひ観てください。



それにしてもこの映画を観ていたおかげで、都営新宿線の事故に巻き込まれずにすんでよかったです。

芥川・直木賞受賞式に間に合うように行っていたら、2時間も暗いトンネルを歩かされるところでした。
地下鉄のトンネルを歩くのも得難い経験でそれはそれでよかったかもしれませんが。
それだとパーティーはすっかり終り、誰もいなくなっていただろうけど。


・濡れたまま重ね合う胸あおい花のどにこぼれるまでを愛した    『青卵』より