彼岸花

 曇のち雪。


 午前中、髭さんと図書館で借りた『彼岸花』を観る。小津監督初のカラー作品だそうで、最初に出て来る役者の名前が、色分けされていたりして、「カラーだよ〜」という、うれしさに充ちているようである。

 昭和のガンコ親父が、娘の結婚を徐々にゆるしていく過程を、二人でほんのり笑いながら観る。


 午後、書評の仕事を少しして、夕方、図書館にビデオを返し、買い物をして帰る。
 夕食は、山芋たっぷりお好み焼き。


 夜、「義経」を観る。神木くんのきれいな顔にほれぼれしつつ。常磐さまもきれい。美輪先生は、もっときれいにメイクしてあげて!と思ったのは、わたしだけかな。


 夜中、ゴミを捨てに外に出たら、外灯の光の中に細かい雪が斜めに落ちていくのが見えた。もう裸木に薄くつもりはじめている。きれい。

 
 ゴミの袋を両手にもったまま、平安時代にも降ったであろう雪のことを考える。



・竹とんぼ祈る掌の熱吸いあげて雪舞う空に一瞬を截る  林 民子