北野武 「Dolls」

今日はカボの私立高校推薦入試。
まじめに標準服を着て、神妙にでかけてゆく。


午前中、リンが借りてきた「Dolls」を観る。

近松門左衛門の「冥土の飛脚」を下敷きにした悲恋を芯に、いくつかのすれ違う情愛がからみあう。
婚約者の裏切りにあい、こころを深く病んだ女性のもとへ戻ってきた男が、ずっと連れ添って一年中赤い綱でつながれた二人があてどなく歩き回る。

日本の四季がうつくしい。とくに雪の中に散る赤い楓の赤が胸に直接やきついて、わすれられない。


控えめな音楽と寡黙な映像。


最後にアップになる物言わぬ浄瑠璃人形がものすごい迫力で迫ってきた。

今まで見た北野作品の中では、一番深く好きかもしれない。


午後、カボ帰宅。
どうだった? と訊くと、まあね、べつに、と答え、すぐに着替えて、遊びに出かけた。
合格していますように・・・。



・今そばに居るひとが好き水が産む水のようだわわたしたちって  『青卵』より