お昼のタコとトマトと胡瓜の冷製スパゲッティー

higashinaoko2004-09-19



 なんだか蒸し暑い。とろとろと汗を流しながら、休日のちらかった部屋を片づけて掃除。10冊分の書評の締めきりが2週間のびたことを知って、うれしい気持(「辛い」が後回しになっただけとも言えるが)


 午後、銀座プランタンに樋上公実子さんの個展を見に行く。1階のエレベーターのところで、まだ髪の生えそろっていないような2歳くらいの女の子が、顔中を涙で濡らして、「おにく、たべたい、おにくたべたい」とくりかえしながら泣いている。「もう、食べさせてないみたいじゃない」と、少し猫背の、みずいろのスカートのお母さんが少しわらう。2歳児せつせつとした目をあげて、「おにく、たべたい、おにく、たべたい」をくりかえす。つい、目があっちゃった。


 で、樋上さんの個展。鮮やかな色彩に清潔な官能美があふれてて、とてもすてきです。花やケーキまでが色っぽい。そして、ビビアン・タムのドレスが似合う樋上さんは、その絵の中から飛びだしたように可憐な人でした。赤ずきんちゃんがモチーフの絵では、最後に狼の首を皿に乗せている小悪魔ずきんが、鮮烈。

スイーツの絵の葉書セットを買い、サインしていただく。


 その後、ル・テアトル銀座で「CODE46」を観る。近未来を舞台にした恋愛映画。都市に入るには「パペル」と呼ばれる通行証が必要。その偽造を操作しに来た男と、偽造を続ける女の子との恋。舞台は主に近未来の上海。近未来ものの映画の小道具って、とても好き。ガラスにうつしだされる目覚ましの太陽や、スケジュール帳。記憶を再現するアルバム。ひとりひとりの心の奥にあるパスワード。最先端の捜査官の公用車がエスティマだったりしたけど。

 映画を観終って外に出ると、銀座の夜。映画の世界の続きのよう。赤い小さな宝くじのボックスに、絣の頬かぶりをして座っているおばさんに、あなた、さっきの映画に出てませんでした?と声をかけたくなる。
 モンブランをお土産に買って帰る。


・パスワード身体に秘めて歌いだす薄い空気のゆらすあかりに   東直子